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Photo1)
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(Photo2)
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「そもそもオルゴールの歴史は中世カリヨンの鐘を鳴らす事に由来しウンヌン……。」と、ありますがオルゴール
が産業として成り立つようになったのは1820年頃からです。19世紀の終わり頃には時計に組み込むパーツとし
ては扱われていましたが、独自の産業にまでなっていませんでした。
シリンダーオルゴールの生まれ故郷はスイスジュネーブとフランスの国境に近いスイス西部の町サンクロワで
す。時計のような精密機械を作ることが得意な職人の国で、やはり精密な作りのシリンダーオルゴールが誕生
したのですね。1860年頃までのオルゴールはシンプルなケースの物がほとんどですが、その時期たくさんのす
ばらしいオルゴールも作られました。「ニコールフレール」「ルクルト」などが“オーヴァーチャ−”“ピアノフォルテ”
を出したのもこの時期です。
最近ではこの手の素晴らしいオルゴールを手に入れるのが、とても困難になってきました。以前「ニコールフ
レール」のシリアルナンバー19000番台(1839年頃製造された物)の、小振りで(ケース幅が35cm位)何の飾り
気もないシンプルなケースで、繊細な櫛歯を持つオルゴールを入手しましたが、まるで“オーヴァーチャ−”の
様なすばらしい演奏を聞かせてくれました。地味でありながら、当時のオルゴール職人のすばらしい技と豊か
な感性が詰め込まれた逸品でした。
1860年から1870年頃はゴージャスなケースのオルゴールが登場します。飾り立てたハンドル、手の込んだ象
嵌などを施した沢山のオルゴールが出現しました。1870年以降もその傾向はさらに強くなり、カスタムメイドの
素晴らしいケースが登場したり、小さなオルゴールですら手の込んだ象嵌や飾りを持つようになりました。それ
と同時にメカニズムもゴージャスになり、「ペイラード」「ブレモンド」などが“オルガンボックス”“オーケストラボッ
クス”“リボルバー”などを世に送り出し、1890年頃まではシリンダーオルゴールをよりゴージャスに、よりエレガ
ントに作り上げていった時代でした。色々な楽器、たとえばドラム、ベル、オルガンなどを組み込んで演奏する
タイプのオルゴールは、オルゴールのそのものの音色をじっくりと聞いて楽しむというよりは、目で見て楽しん
だり、聞こえてくる色々な音を奏でている仕組みを楽しむといった要素が大きいと思います。
そういえば,2001年にヨーロッパで手に入れた1台のオルゴールは、オルゴールと言うよりオートマタに属すると
思えるものでしたが、それはそれは美しく優雅な物でした。ガラスのドームでカバーされたその中には美しい色
彩が施されたグランドピアノが置かれ、美しいドレスを着たブロンドの女性が手を動かしてピアノの鍵盤を弾いて
いるのです。ピアノの反対側にはこれまた美しい、いかにも当時の音楽家というようなドレスに身を包んだシル
バーの髪の毛の紳士がタクトを振りながら指揮をしています。それに合わせてピアノの中央でかわいい女の子
がダンスを踊っているのです。しかもその下の台になっているオルゴールはよくある小さなおもちゃのような物
ではなく、「ペイラード」の8曲入りのメカニズムでした。顔も手も白く美しい陶器で出来ていましたし、ドレスも綺
麗な生地で丁寧に手作りされていました。
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(Photo3)
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(Photo4)
シリンダーオルゴール産業が成熟期を過ぎ,色々な付加価値をつけてお客様を満足させる為に,各メーカーが
独自のアイデアと技術を使い様々なオルゴールを開発し世に送り出して行きました。 (Photo3,4)
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No1.シリンダーオルゴール
( つづく )
Antique Music Box
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オルゴールについて